国士舘大学 体育学部 体育学科 須藤 明治 教授
Q1アスリートはなぜ高地トレーニングを行うのでしょうか?
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A
高地トレーニングをすることで、体が環境に適応し、運動能力向上につながるからです。
高地とは、低圧、低酸素の環境のことで、高地では酸素濃度が薄いため、血中の酸素濃度が低下します。体は必要な酸素濃度を確保するために、体内で赤血球数やヘモグロビン濃度を増加させます。赤血球数やヘモグロビン濃度が増加することで、
筋肉へより多くの酸素を運搬できるようになるからです。
とはいえ、アスリートでも高地へ行くとはじめはパフォーマンス以前に、まともに動くことさえできない場合があります。高地トレーニングは、身体をしっかりと適応させたうえトレーニングをすることが大切です。
Q2高地生活をしている方々の心肺機能は高いのでしょうか?
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A
高地生活している方々は環境に適用していて、実際にヘモグロビンの数は多く、心肺機能は非常に高いです。
アスリートではスキーノルディック複合の双子の荻原選手が標高1200mの草津出身であることは有名です。
Q3トレーニングに低酸素ドームを取り入れるメリットを教えてください。
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A
高地トレーニングは、わざわざ高地に出向かなければなりません。しかし低酸素ドームはドームに入るだけで同様の効果が得られるだけでなく、ドームの中で読書ができる、睡眠中に利用できるなど、時間を有効に活用しながら、効果も得ることができます。
ドームは低酸素状態のため、ドーム外に出た通常時の体感が楽に感じられます。
Q4一般ユーザーにはどのような方が使われていますか?
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A
健康趣向の方がトレーニングの補助として使用するのがお勧めです。
また忙しくて運動する時間が取れない方も良いですね。
Q51日どのくらい低気圧酸素に入れば効果が出てきますか?
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A
極端な話、エベレスト登頂もそうなんですが3000mまで行ったら1度2000mまで戻って少しづつ登頂するように、個人差がありますから、体調と相談しながら、段階を経て入って頂ければと思います。
普段運動をしてる人ならば800m~1000mくらいから入って欲しいですね。
そして、低気圧酸素も大切ですが、身体を休ませるのも大事ですので、休むことも忘れないで欲しいですね。
- 回答者
- 国士舘大学 体育学部 体育学科 須藤 明治 教授
- 所属
- 体育学部 体育学科
スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(修士課程)
スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(博士課程) - 経歴
- 2007/04/01 ~ 2008/03/31
国士舘大学 体育学部 体育学科 准教授
2008/04/01 ~ 2012/03/31
国士舘大学 体育学部 こどもスポーツ教育学科 准教授
2011/04/01 ~ 2012/03/31
国士舘大学大学院 スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(修士課程) 准教授
2011/04/01 ~ 2012/03/31
国士舘大学大学院 スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(博士課程) 准教授
2012/04/01 ~
国士舘大学 体育学部 体育学科 教授