対談インタビュー回答者

東海大学 宇佐美彰朗 名誉教授
国士舘大学 体育学部 体育学科 須藤 明治 教授

Q1宇佐美先生が高地トレーニングを行ったきっかけを教えてください。

  • 宇佐美

    高所で開催されたメキシコオリンピックです。
    箱根駅伝以降、長距離マラソン選手を目指した時にメキシコオリンピックの結果が非常に良く、さらに力を伸ばすにはどうしたらいいかを考えたときに、スポーツ科学が進歩したきっかけとなったメキシコオリンピック後、各専門家が酸素の薄い所でトレーニングをすると心肺機能が上がることを実証してきました。
    そのことは、研究の分野では広まっていましたが、なかなか現場へのフィードバックが無かった時代に、私自身は高地トレーニングを試してみて、結果を出してきました。

Q2宇佐美先生のこの時代のトレーニング方法と結果を教えて下さい。

須藤

宇佐美さんの記録を見ても超人的で富士山の五合目で高地トレーニングを行い、フルマラソンのタイムを2年で18分縮めていますね。
その当時心肺機能を計測した結果72㎖/㎏/分を記録しています。
(現在:日本人20代基準値40㎖/㎏/分)

宇佐美

今ではJOC会長でもある東海大学山下泰裕教授が柔道部にも導入されていて、科学的にトレーニングを行っています。

Q3宇佐美先生の成功例を教えてください。

  • 須藤

    1968年のメキシコオリンピックの記録が2:28:06で8位です。
    後に1970年富士山5合目トレーニングを行いその年の福岡国際マラソンで2時間10分37秒8で日本最高記録を出して優勝。18分も記録を伸ばしています。
    現在の高地トレーニングの先駆けとなったアスリートです。

Q4高地生活している方々の心肺機能は高いのですか?

須藤

環境に適用していて実際にヘモグロビンの数は多く心肺機能は非常に高いです。
アスリートでも高地へ行くとパフォーマンスを発揮出来ないどころかまともに動くことさえできない場合があります。
高地トレーニングは、身体を適応させたうえでしっかりとトレーニングをすることで結果につながります。
スキー競技の荻原選手は草津出身(標高1200m)でパフォーマンスは高いです。

Q5高地(低酸素)の良い所を教えてください。

  • 須藤

    低酸素下に置かれて負荷を掛けることにより、人体はそれに適応しようと反応することでパフォーマンスが上がります。

Q6低酸素ドームの良い所を教えて下さい。

須藤

高地トレーニングが出来ない状況で同等の効果を得たい方には、睡眠時等に入ることによって効果を出すことが出来ます。
低酸素状態から抜け出すことで、通常時が楽に感じられます。

Q7一般ユーザーの方で低酸素はどのような方にお勧めですか?

  • 須藤

    ジョギング等をされている健康趣向の方がトレーニングの補助として使用するのがお勧めです。
    また運動がなかなかできない方にも良いですね。

Q81日どの位低圧酸素に入れば効果が出てくるのですか?

須藤

極端な話エベレスト登頂もそうなんですが3000mまで行ったら1度2000mまで戻って少しずつ登頂するように段階を経て入って頂ければと思いますので個人差があります。
普段運動をしている人ならば800m~1000mで体調をみながら低圧酸素に入って欲しいですね。
アスリートでも身体を休ませるのも大事ですからね。

Q9一般の方へは高気圧酸素と低圧酸素どちらが良いですか?

須藤

日常生活でリフレッシュしたい人やリラクゼーション効果を求める人は高気圧酸素が良いですね。
また45歳を過ぎると特に健康が気になり始める年頃かと思うので、高気圧酸素で健康維持を図るのがお勧めです。
低圧は身体に軽い低酸素状態の負荷を掛ける事によって睡眠に入りやすい環境を作ることが出来ます。
わかり易く説明すると、サウナに入った後に水風呂に入るように循環器系の刺激を与えるものです。

須藤

運動不足気味の方は低圧で負荷を掛けるのが良いです。
スポーツを普段から行っている方はメンテナンスで高気圧ですね。

宇佐美

私の率いる団体で研究してみたいですね。

東海大学 宇佐美彰朗 名誉教授
オリンピック“マラソン日本代表”としてメキシコ、ミュンヘン、モントリオールと連続3回出場はじめ、フルマラソン公認大会(国内,国外)に41回出場、その全てを完走し、うち11回の大会で優勝。特に琵琶湖毎日マラソンでは連続3回を含む5回を優勝。
所属
東海大学名誉教授(“体育学”で33年間勤務)
「宇佐美マラソンスポーツ研究室」主宰
「NPO法人日本スポーツボランティア・アソシエーション」理事長
国士舘大学 体育学部 体育学科 須藤 明治 教授
鹿屋体育大学卒業後、同大学大学院修了、鹿児島大学大学院医学研究科博士課程、名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。大分医科大学医学部文部教官助手を経て、現在、国士舘大学体育学部教授。
所属
国士舘大学 体育学部 体育学科
スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(修士課程)
スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(博士課程)